【九柴火星】

《九柴火星の象意》
九柴火星は、文字どおり”火の精”です。
火はまさしく太陽を象意しています。
季節では夏、時間も太陽の光線が一番強くなる午前十一時から午後十三時を示しています。
以上から、九星で一番盛んな精気といえます。
また、火は闇を照らすと言う意味合いが有ります。
事象にとれば文明となり、心象にとれば知性となります。
万物を明るく照らし出すという意味合いから、美名・美麗といった意味も含みます。
次々と燃え移るという意味から、離合・集散、着く・離れるという意味も持ちます。

これらのことから、次のような象意が出てきます。

九柴火星は、南方(午・離)三十度の方位にあり、この先天は六白金星です。
日にとっては午の刻(午前十一時から午後一時)とし、月にとれば午の月(六月)、四季にとれば夏で、太陽が南に来て暑熱の盛んなときで、陰陽の分かれ目の時でもあります。
天地万物は南面するのが陽の最高で、北面することは陰の最低です。
神仏は南面し、信徒は北面します。


九柴の象意として

(1)心眼・先見・目
人の心、精神は九柴で、目も九柴です。
九柴の剋気を用いると心眼が曇り精神がもうろうとなります。
先見とは形を見ずして将来のことを見通すことですが、九柴や南方の祐気を用いれば発明・発見を成就することになります。

(2)視察・学問
頭脳の体は六白で、その用は九柴です。
九柴や南方の祐気を用いれば、頭も明晰となり、学問も発達します。

(3)貴い
九は数の最高で、紫は色の中で最も優れたものとされています。
技芸・識見・行動の優れたものは皆九柴です。
南方がよい構えの工場で作られた製品は、品質も良いとされています。

(4)名誉・栄転
人より尊敬される地位に就くことが名誉です。
大臣・議員・重役など九柴です。
九柴の剋気を用いると名誉を失うことになります。

(5)印鑑・文章
手紙・公債・社債・株券・手形・証書・雑誌・書籍・書簡の類は九柴です。九柴や南方の剋気を用いると、印鑑や記名の間違いを起こし、不渡りの手形を掴んだりします。

(6)華美・外見
化粧・美容・装飾など外見を飾るものは九柴の用(応用)であり、デパート・劇場・映画館・音楽会・宴会・貴金属などは九柴の体(基本)です。
九柴の祐気を用いると、美人もさらに華やかになります。

(7)離合
一つの物が二つに分かれるのは離で、二つの物が一つにまとまるのが合です。
離は九柴、合は1白です。
本命が南方にあるときは、家族の死別・勤務の解雇・夫婦の離別などの厄災をみると言います。
あらかじめ、九柴南方、1白の祐気を畜保してこの離を逃れる事が必要です。
古来厄年と言って数え年三十三才・四十二才を忌むのは、本命が北方に回座したときです。
前厄の三十二才・四十一才は本命が南方にあり、後厄の三十四才・四十三才は坤方にあって、天地南北の作用を受けるとされます。
南北性は別離を示します。

(8)心臓・咽喉・歯
心臓の体は六白、その用は九柴です。
ジフテリヤ・喘息・咽喉カタル・歯痛などは、九柴南方の剋気によると言われます。

(9)尖鋭・手術
尖った物は九柴です。
心気が尖ることが怒りで、刃の尖ったのが鋭です。
錐・高塔・高峰も同じ九柴です。
手術はメスを用います。

(10)写真・鏡・宗教・教育
写真・映画など九柴です・神社の御神体として鏡を祭るのも九柴です。
人の知恵を啓発するのが教育で、天の恵みを啓発するのが宗教です。

(11)中女
四十才〜五十才の中年の女子を九柴と言い、四十才〜五十才の中年の男子を1白と言います。

(12)酒・煙草
九柴や南方の剋気を受けると、酒・煙草により心身を害することになります。

(13)燃焼
燃焼・温熱は九柴です。
人体の燃焼を体温といい、大気の燃焼を気温といいます。
仏像や仏画に火焔を描写しているのも、神仏前に灯明を点火するのも、生々を象示した物です。

(14)医師・薬剤師・薬種商・病院・薬品
薬に関係ある物、治療など、九柴です。

(15)争い・裁判・訴訟・警察署
人との争いや裁判などを有利にしたいときは、九柴や南方の勇気を用いることです。

(16)その他
★象意総称
夏 中年の女性 火 赤 紫 熱 光 明かり 太陽 付着 別離 天命 生命 精神 情 灯明 陽炎 光線 権利 義務 発覚 発見 発明 生別 死別 切断 手術 分離 脱退辞職 除名 立腹 抗議 破壊 戦争 喧嘩 注意 提案 道理 解決 感想 競争 華美装飾 拝賀式 奉祝 お祭り 結婚式 披露宴 葬式 捜索 信念 怨霊 火災 浮気性 のぞき 診察 放火 焚き火 火葬 賭博 勝負事 神社仏閣への参詣 照る 輝く
裂ける 割る 広がる 論争する 踊り騒ぐ 読書する 見物する 鑑定する 測量する

★天象
太陽 暑気 南風

★場所、建物
裁判所 警察署 交番 検査場 信号 見張り 場所 灯台 消防署 試験場 参・衆両院国会議事堂 書籍・文具店 デパート 小間物屋 雑貨店 化粧品店 アクセサリー店
映画館 ダンスホール 図書館 博物館 スクール劇場 役所 教会 布教所 競技場
賭博場 選挙場 総ての式場 宴会場 火葬場 噴火口 山の南部 川の北部
華美な場所

★事物
株券 公債 社債 手形 証書 書画 書籍 地図 設計図 記録 書類 原稿 契約書 許可証 願書 文具 委任状 推薦状 領収書 教科書 学用品 免状 名刺 表札
離婚届 経文 国旗 押し絵 影絵 アクセサリー 絣(かすり) 友禅 刺繍 礼装 勲章 神棚 拝殿 五重塔 城 御殿 金像 木像 石像 土像 鏡 灯明 神仏具一式 紙幣

★人事
知恵者 学者 占術家 医師 鑑定者 審判者 裁判官 検査官 監督 測量技師 監視 参謀 看守人 顧問 理事 教員 試験官 会計係 美容師 理髪師 警察官 官史
名誉職 選手 新聞記者 神主 書家 小説家 美人 俳優 ダンサー 芸者 好色家
妊婦 双生児 放火魔 布教師 デザイナー インテリア・デザイナー 染色家
栄耀栄華の人 正装の人 踊っている人

★飲食
海苔 貝類 色彩のあざやかな食品

★生理
心臓 目 頭脳 視力 血球 顔面 頭部

★動物
七面鳥 孔雀 鳳凰 雉(きじ) 金魚

★植物
紫陽花 蓮華草 芍薬 牡丹 百日紅(さるすべり) 孔雀草 向日葵 シソ 紅葉 万両 南天 蕗(ふき) 楠 榊 すべての花



九柴火星の性情・運勢
(1)性格
・明敏で頑張り屋です。その一方、派手好みで、むら気があり、怒りやすく、短気で冷静さを欠くので、失敗しやすいです。
・先を見通す力を持つので、その時々に応じて、すばやく臨機応変に処置する才能があります。
・自己中心型で、他人を見下したりして、人の意見を聞き入れない人が多いですが、思いやりを忘れてはいけません。
・一度苦境に陥ると、自分を助けてくれる知己友人や部下が無くて、浮かび上がれなくなる事があります。
普段、人のために尽くすことが必要です。

(2)体質(病気)
丈夫ですが、わがままなので人の意見を入れず、不養生になりがちです。
かかりやすい病気は心臓病・眼疾・不眠症・喘息・咽喉カタル・歯痛・乳ガン・火傷などです。

(3)愛情・結婚
だいたい、美しさに対する関心が強いので、男女とも面食いで、美男美女を求めます。
交際が深くなると、相手の内心・愛情に接して、つまずくケースも多いようです。
女性は頭も良く勝ち気で、好き嫌いが激しく、結婚すると女性上位になりがちです。
男性は精力的ではないので、自己中心になりやすく、相手を喜ばせるより、自分のためのテクニックです。
女性も同じ傾向があります。

(4)職業
美意識が強いので、美術家・文芸家・出版業など、また美容・デザイナー・カメラマンなどが適業でしょう。
また政治家・外交官・裁判官・ジャーナリストなど自己顕示性の強い職業も良いです。
地味にコツコツと働く事務職などは不向きです。

(5)財運
九柴は財より名誉のほうを重んじるタイプです。
年収がいくらあるなどと他人に誇るのも、一種の自己顕示欲からくる現象です。
しかし元来、身を飾ったり、骨董品に凝ったりするほうなので、晩年になっても蓄えが少ない傾向があるようです。

(6)運勢
九柴の人は幼少にして、両親の元を離れて、他家に養われることが多いのです。
自分が他人の上に立ちたいという希望が強いので、人を押しのけても進もうとする冷たさがあり、それが人生で失敗する一因です。
平生、他人や部下の為に尽くして思いやりを持った行動をし、他人の言を聞くことが大切です。
表面に立って指揮するより、退いて人を善用することがよいでしょう。
中年運で数え年三十四才〜三十七才、四十三才〜四十六才、五十二才〜五十五才が幸運の時期です。
九柴は、北と南に五黄殺と暗剣殺が有ります。
色情に悩み失敗しやすく、部下に適当な人が見つからず、裏面のことが表面化することがあります。
公難、学術研究のことで迷い、思わぬ失敗をすることがあります。