【八白土星】

《八白土星の象意》
八白土星は、土の中でも自然に高く積み上げられた物を表します。
それで、”山”の象意があります。
二黒、五黄、八白はいずれも土星ですが、同じ土でも意味が少しずつ違います。
二黒と五黄はどちらも陰性で、前者は耕土、後者は大地を意味します。
八白は陽性となり、高い山岳を意味しています。
季節は一月から二月。ちょうど陰から陽に変化するときであり、新しい出発や物事の節目を表しています。
又、時間は夜中の一時から五時までを示し、夜中から夜明けを迎える時刻で、活動を開始する時間帯を表しています。

これらのことから次のような象意が出てきます。

八白土星は東北方(丑寅・艮)六十度の方位にあり、この先天は三碧木星です。
日にとっては丑の刻(午前一時から三時)寅の刻(午前三時から午前五時)とし、月にとれば丑の月(1月)寅の月(2月)四季にとれば初春の頃です。
冬から春へ次第に移り変わり、陽気がようやく出てきたところです。
艮方は世俗に鬼門と称して忌み嫌いますが、鬼門とは鬼の住むところと言うのではありません。
場所や形態を言うのではなく、八白土星の象意から言うのです。
丑寅(艮)は「天地の陰気の終わり陽気の初め」とを兼ねて持つ物です。
太陽が日々下降する最終が丑の刻、太陽が上昇する最初が寅の刻で、いわゆる陰陽の変わり目が艮宮・鬼門なのです。


 八白の象意として

(1)変化
八白は変化です。陰陽を兼有するので、常に陰陽の変化を生じます。
これが鬼門として恐れられる一因です。
本命が艮宮に在泊すると一身上に変化を起こします。

(2)継ぎ目・相続
家督の相続も継ぎ目ですし、役目の相続は後任です。
艮宮欠陥の家は四年以上住むと、相続人や後継者が耐えると言います。

(3)止まる・中止・閉店
停車・銀行・会社などの営業の停止は八白です。
八白艮方の剋気を用いると、営業が変化して閉店の憂き目にあいます。

(4)貯蓄
巳酉丑の三合線の哲理、西方(酉)の金(旺)は艮方(丑)の貯蓄(墓)となり、艮方の貯蓄は巽(巳)の信用となります。
巽の信用は酉方の金を生み、循環しています。
艮方欠陥の家は金が貯まりません。

(5)強欲
欲求の分が過ぎることが強欲で、八白です。自分の欲のために他人の困苦を省みず、欲張るわけです。
巨富を蓄積しても二代目で八白の裏の七赤の贅沢に変わって一円もなくなってしまいます。

(6)けち
使うべき時に使わず、与えるときに与えないのはけちです。
八白の剋気を受けるとけちとなり、何かと仕事をしても、報酬が少ないと気に入らないことになります。

(7)変化・改革
本命が八白に在泊すると、事業の整理・改革をすることになります。

(8)親戚・知人・同業者・家族
親子・兄弟・姉妹・叔父母や親友などは八白です。
人はその身の安危について相談したり協力してくれる親戚・親族・友人が必要です。
八白艮方の剋気を用いると、親族・親友に迷惑をかけたり、かけられたりして、トラブルを起こすことがあります。

(9)山・山林・高台・土手
八白は高い山で、八白艮方の剋気を受けると、登山の際、遭難の危険を招きます。

(10)歓迎
先方が応じて心気が喜ぶことが歓迎です。総て困難なことの解決には、四緑か八白の祐気を使うとうまく行きます。八白の先天三碧は希望があることを示しています。

(11)その他
★象意総称
少男 山 黄 親戚 知己 故郷 節 相続 曲がり角 続き目 終始 変わり目
変化(但し、この変化には始まりの意味、終わりの意味、終始混合の意味があります。
次にそれぞれの象意を表します)

〜〜〜終わりの意味〜〜〜
断絶 停止 中止 満期 完了 閉店 廃業 全滅 止む 止める 打ち切る 戻す 返す 断られる

〜〜〜始めの意味〜〜〜
開始 開業 復活 再起 出発 発送 甦る 始める 出直す やり直し

〜〜〜終始混合の意味〜〜〜
切り替え 取り替え 交換 連結 接続 後退 移転 休息 改造 改革 売買 両替
思案中 方針未定 一休み 取り次ぐ 引き継ぐ 渡り行く 渡りくる 握りつぶす
積み荷をする

★天象
曇天 天候の変化 気候の変わり目

★場所、建物
家屋 倉庫 物置 小屋 ホテル 旅館 船宿 宿泊所 停車場 駐車場 山 高台 土手堤防 築山 石段 石垣 門 木戸 階段 トンネル 突き当たりの家 行き止まりの家
境界線 交差点 建て直しをした家屋 衣類の継ぎ目 幹と枝のまた 枝と葉の付け根
物と物との間 合わせ目 組み合わせたところ 

★事物
二個を合わせて一個とした物 連結した物 つなぎ合わせた物 積み重ねた物 重箱
岩石 椅子 腰掛け 机 テーブル チョッキ 屏風

★人事
少男 幼児 相続人 兄弟 親子 肥満した人 強欲な人 山中にいる人 山寺の僧 山伏土木請負人 売買斡旋業者 仲介業者 仲介者 ホテル・旅館経営者 停車場勤務の人 橋上の人 階段にいる人 不動産業者 不精な人 リサイクル業者

★飲食
牛肉及びそれを使った料理 骨や皮のない肉類 数の子 いくら 魚類の卵 最中
甘味のある物

★生理
耳 鼻 腰 筋肉 瘤 体内の間接 背中 脊髄

★動物
ウシ トラ シカ 山鳥 足の長い鳥類

★植物
セリ ツクシ タケノコ キノコ類 ツタ 馬鈴薯 甘藷 山芋 百合根


八白土星の性情・運勢 
(1)性格
・堅実に仕事をして目上の引き立てもあり、実業面ではかなりの成績を収めます。
・頑固で一度決めたら、それを押し通します。
・調子が良く人に愛されますが、時として短期を出して失敗しやすいです。
・むら気があるので、勝手に自分だけ先走りすることがあります。

(2)体質(病気)
筋肉質タイプで丈夫です。かかりやすい病気は、肩凝り・血行不順・腰痛・関節痛・リウマチ・神経痛・便秘などです。

(3)愛情・結婚
変化生が強いので、熱しやすくさめやすい恋愛をしやすいです。熱着心や独占欲が強いので、熱心に相手を求めますが、いったん結びつくと、突き放したりします。
男女ともセックスに対する関心が強く、しつっこいくらいで相手を悩ませます。

(4)職業
協調性がやや欠けていて、人間関係がスムーズに行かない面もありますが、真面目ですから、堅い仕事が身に合います。
土木建築業・不動産業・ガードマン・教育者・警察官・公務員・ホテル・旅館業・スーパー店員・宗教家など、適職といえましょう。

(5)財運
八白は六白の先天です。
七赤は融通する現金ですが、六白は資産の意味を持ちます。
有価証券への投資など考えず、不動産・貴金属・宝石などとして蓄積するほうがよいです。
だいたい八白は強欲の傾きがあり、あまり欲を出さずに身の程を知ることが大切でしょう。

(6)運勢
変化性を持っていて人生にも起伏がありますが、七転び八起きで、盛り返す力もあります。
相続・継承の意もあり、たとえ末っ子でも家を継ぐ運命を持っていると言えましょう。
晩年運で数え年四十三才〜四十六才、五十二才〜五十五才、六十一才〜六十四才が好運気です。
八白は坤・艮に五黄殺と暗剣殺を持っています。
家庭内のトラブル、職場での人間関係のつまずき、旧知の人との絶縁・後継者を得られぬ悩み、改革が出来ず苦労するなどの問題が起こりやすいです