【二黒土星】

《二黒土星の象意》
二黒土星は母なる大地として”土の精”を与えられています。
天の無形の気を受けて、全てを包み込み大きな慈愛と、絶大な生産力を持ちます。
また、田や畑となって種子を育て上げる忍耐力とねばり強さとを持ちます。
それでいながら、岩石のような硬さはなく、それなりに形を自由に変化させることが出来ますし、天から降る雨をしみ通らせるような柔軟さも持ち合わせています。

これらのことから、次のような象意が出てきます。

二黒土星は西南方(未申・坤)六十度の方位にあり、この先天は四緑木星です。
日にとっては、未の刻(午後1時から三時)申の刻(午後三時より五時)とし、月にとれば未の月(七月)申の月(八月)です。
四季では晩夏から初秋になります。
東北方(八白土星)艮(うしとら)方位を鬼門と称し、これに対して、西南方(二黒土星)坤(ひつじさる)方位を裏鬼門といい、中宮五黄土星と並んで坤艮中の死線といい、変化が起こる場所としております。
また西北方(乾)の六白金星が天を表すのに対して、二黒土星(坤)は地をさします。
土気は欲望の象で、二黒は生存欲、八白は強欲、五黄は暴欲を表します。
土気は万物を生育しますが、それとともに万物を腐滅して土化します。


 二黒の象意として

(1)土地・大地・田畑・田舎・不動産
高い山(八白)に対して、二黒は低いところです。
田畑・田舎・地所・不動産など、土性(大地)から導き出されます。

(2)地役(致役)・勤勉・誠実
自分自身が身体を使役(働かせる)して、他のために誠意をつくすことです。
布施(他人に施す)の心です。
二黒と同回したり、吉方位として用いると、無償の努力(地役)を起こします。

(3)無・空虚
易卦は大陰の象で乾卦の太陽に対して、内実が空しい意味(死も表示)を持ちます。

(4)柔順・まじめ・脇役
柔順とは上長に従って命令を受けて行動することで、社長の下で脇役の立場に立ち、陰
から社運を助けることです。

(5)母・妻・老婆・姑・婦人
母が子に対して無償の母性愛を注ぐのは、なにものにも代えがたいものです。
坤方(西南)がいちじるしく欠けている家相は「妻無き家」といわれ、古来、裏鬼門とされます。このように忌み恐れているのも、坤(二黒)の凶意です。

(6)営業・職業・勤務
営業というのは、単に金を得るための手段ではありません。
営業とは、人が社会で営むところの生存力であって、歩くのも声を出すのも、みな営業です。凶方位(刻気)の二黒を用いますと、営業不振となり、吉方位を用いれば生産も向上します。
また二黒に同回すると、就職のチャンスに恵まれます。

(7)古い
老人・骨董品・老樹・古い家などを指します。
二黒方位からの縁談は、再婚やハイミスを紹介されます。
家の西南に大木があるのを凶相とします。

(8)実行・つくり出す・生む
発心は六白で、実際に事を行うのは、二黒です。

(9)遅鈍・遅延
二黒を刻気として用いると、仕事が、なかなかかたずきません。
陽気が衰えた現象が遅鈍です。

(10)大衆・庶民・労働者・農夫・集合
二黒は労働者の星であり、一般大衆の意をもちます。
大衆食堂などを始めるには、二黒方位がよいと言われます。
品物も高級品(九紫)より大衆的な品がよいのです。

(11)四角・平坦・台
円は六白で、二黒は四角です。
また凸凹のない平坦なところは二黒です。

(12)その他
★象意総称
母 老女 主婦 大地 迷い 鈍重 依頼心 気苦労 物思い 心労 安静 温厚 丁寧 貞節 倹約 謙虚 忠実 従順 頑固 慎重 勤勉 努力 労働 培養 飼育 用意周到 柔和 準備中 相談中 考慮中 弛緩(しかん) 油断 心中が複雑 コレクション 技芸 開墾 従う 応じる 受ける 求める 稼ぐ 辛抱強い 注意深い

★天象
曇天 無風で穏やかな日和(ただし、二黒中宮の年には、南に六白金星が運行するため後天定位の九紫火星に相反作用が起こり、爆発や大雷雨のある年になります)

★場所、建物
地球(大地という象意から地球全体を二黒土星とみなします)平地 野原 公園 球場
城址 田畑 農家 埋め立て地 生まれた土地 平屋 母屋 寝室 仕事場 工場 洞窟 相撲の土俵

★事物
木綿の織物一式 洋服のリサイクル品 肌着 パジャマ ネグリジェ 木綿の座布団や敷き布団 シーツ 盆 重箱 将棋盤 木炭 土地 土砂 石灰 セメント 粘土 川原 レンガ 陶磁器 土で作った物一切 四角な物 平面なもの 無地のもの 黒い色のもの

★人事
皇后 后 婦人 母 妻 老女 姪 副社長 次席 助役 民衆 団体 相撲取り 迷子
納付 土木建築請負業者及びそれに従事する人 土木技師 職人 雑貨商
リサイクルショップの経営者 貧しい人

★飲食
米 玄米 大麦 小麦 大豆 小豆 きび 粟 そば粉 麩 麺 煮豆 いりまめ 餅
おにぎり くず餅 五目そば 寄鍋 煮込み おでん 豚肉 ラム 蒲鉾 竹輪
泥付き芋じゃがいも 甘藷 里芋

★生理
秘蔵 腹部 腸 右の手 臍(へそ) 胃潰瘍 胃ガン 腹膜炎 下痢 食欲不振
消化不良 便秘 黄疸 胃下垂 胃痙攣 嘔吐 胃酸過多 肩こり 不眠症 シャックリ
皮膚病 にきび ソバカス 汗疹

★動物
牝馬 牝牛 ヤギ サル ヒヒ ダチョウ ホトトギス 土蜘蛛 蟻

★植物
樹幹 ナズナ 苔 ワラビ シイタケ


二黒土星の性情・運勢 
(1)性格
・表面はおとなしそうですが、芯はつよい人です。
・地味にコツコツと仕事をやり、実績を積み上げていくほうです。
・一般にまじめで、従順さを持っています。
職場でも首長としてより、補佐役のほうが適しています。
・女性には良妻賢母型が多いです。
派手な交際をきらい、遠慮がちです。

(2)体質(病気)
だいたい肥満型です。
土性ですから、消化器系・循環器系の病気、胃腸病・便秘・肩こり、不眠症などに注意して下さい。
二黒は脾病を意味します。

(3)愛情・結婚
男女とも情にもろいようです。
土性は情欲的な傾向が強く、愛情がこじれてトラブルを起こしやすいです。
男性はサービス精神が旺盛なので、女性にもてます。
女性は母性的で、年下の男性を愛したり、婚期が遅れたりします。
一度結ばれると、献身的に尽くします。
セックスは案外ねちねちと楽しむほうです。

(4)職業
努力家でコツコツと努力するほうです。
何をやっても仕事は成功しそうですが、一面ルーズな点もあり、決断力に欠けていて、責任者としての立場は不向きでしょう。
大衆向きの商売、土木建設の仕事・不動産業・古物商・教師・産科医・消化器関係の医師等が向いています。

(5)財運
ギャンブルで成功するなどは不向きなので、コツコツとためていくことです。

(6)運勢
若い頃から複雑な家庭に育つ場合が多いようです。
二黒が大地という意味を持つとおり、何事も清濁併せ飲みます。
しかし、体質に合わない物までも吸収し、病気になりやすいので、健康第一で身体を鍛えることです。
晩年運で数え年四十三歳〜四十六歳、五十二歳〜五十五歳、六十一歳〜六十四歳がチャンスの年です。
二黒は艮宮・坤宮に五黄殺・暗剣殺をもっています。
相続問題、親戚とのトラブル、職業の変化、嫁・姑との争い、営業上での同業者の干渉などに注意の必要があります。